第2章では、主要キー4局(TBSテレビ、日本テレビ、フジテレビ、テレビ朝日)それぞれがどのような大学卒業生を採用しているかをまとめてみたいと思います。今回も、第一章と同様に過去14年間のデータを基に調べました。

① 各キー局の出身大学別比率(総計)

 図
1 キー局 出身大学別採用人数の比率(200215年総計)
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 どの局も出身者は早慶が最も多いようです。どの局でも慶應がやや上回っています。フジテレビは約半数(47%)を早慶出身者が占めており、TBSは約1/4(24%)とやや少なめです。対照的に「その他大学」の比率はTBSが約半数(48%)と最も多いです。TBSテレビの入社者の出身大学は多様性に富んでいると思われます。一方で、日テレとTBSには東大閥があると言われていますが、比率的に他2局よりも高いことから、あながちその可能性は高いです。老舗局と言われ、歴史ある放送局でもありますので、
東大卒を重視する伝統があるかもしれません。

② 各キー局の出身大学別 人数と比率(年度別推移)

 図
2 キー局 出身大学別採用人数の年度推移 (200215)
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 図3 キー局 出身大学別採用比率の年度推移 (200215)
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 どのキー局も平均して30人前後は採用しているようです。ですが2010年の採用人数をピークにして、それ以降の人数は少なめです。リーマン・ショック時の業績悪化に伴う人員見直しのためでしょうか、その後経営が回復すると採用人数も元に戻しつつあるように思われます。2008年のテレビ朝日は、「その他大学」出身者が主要大学の人数を上回っています。

③ 各キー局 大学別出身者と卒業生に占める割合(総計)

 図
4 キー局 大学別出身者数と全卒業者数に占める割合 (200215年総計)
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 「各大学卒業者生のうち、どれだけの人数が各キー局に就職したのか」を示す図になります。早・慶は全キー局で高い割合を出しており、特にフジテレビで顕著です。テレビ朝日のみ慶應を抜いて一橋がトップとなっております。東大はやはり東大閥の影響か、相対的にTBSと日テレにおいて高い数字を出しています。ですがTBSでは大学別の大差がなく、どの大学生でも平等にチャンスがありそうに見えます。

 ④ まとめ
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図9

 上記の表には、NHKとテレビ東京も加えましたが、やはり私大なら早慶、国立なら東大・一橋が多いようです。一橋は、小規模な単科大ながらもテレビ朝日やテレビ東京での卒業者数に占める就職者数の割合がトップと、大きな存在感があります。フジテレビは早慶色が特に強く、TBSはあまり出身大学に偏りが見られないようです。あくまで傾向なので、実態は何とも分かりません。

次章では、慶應卒の中でも特に放送・広告に多いと言われる慶應幼稚舎出身者の実態に迫ります。